さとりなあ

カメレオンみたいだなって、よく思う。

つまらない夏の日々

「好き~」「うん、俺も」「すきっ」「俺も」「ねぇ好き!」「…俺も」「きらいっ」「おれも…って、え」「くぅくんはユイのこと、嫌いなんだ…ユイはこんなに好きなのに…」 俺の彼女は面倒くさい。正直、こういうタイプの女は苦手。まるで…ええと、あ、恋愛に…

あの夏の日々

その人に惚れたのは、確率の問題だった。しかも何億とか何兆って確率。まさか、何分の1の確率だなんて計算するわけないけど。たまたま同じ学校で。たまたま同じ電車で。たまたまスマホじゃなくて本読んでて。ほんとにたまたま…その本が私の好きな本で。そこ…

人形劇団ぴよ『糸操り女と棒使い男』

劇場の電気はすっと落とされた。劇場といっても、すし詰めにして百人入るか入らないかの小さな規模だ。それでもこの劇団にとって、この小さな劇場の小さな舞台はぴったりの大きさだった。空いていた席にコートを脱いで腰掛けると、切ってもらったばかりのチ…

ライオンとピエロ

サーカスのテントの中は、人でいっぱいで、冬なのにじっとりと汗をかくほどに温まっていた。「さーあ、続いては皆さんお待ちかねのライオンショーでございます!」 司会者の盛り上げに、会場は更に沸いた。「まずはライオンの玉乗り。この大きな玉に乗っても…

ネオンとたぬき

デートの帰り道に手を繋いでくれたことは一度もない。そもそもこれがデートと言えるのかは謎だけど。もちろん今日だって。彼を感じさせてくれるのは、金曜日の夜の街に残る熱に溶かされて時折薫る、エキゾチックなコロンの香りだけ。汗混じりのその匂いが香…

さとりなあ文庫

…ってなに?って思うよね。 いわゆる 毒吐きコメディ。 ふふふ、と笑った後に、知らず知らずの内にその毒に侵されるような、そんな物語が書きたくて、日々模索中。 最近はおとな〜な感じの物語ばかりですね。大人な恋愛に憧れますが、果たして大人の恋愛とは…